フィリピン国 サンロケ水力発電所

目的/ダムタイプ

多目的(発電、洪水調整、灌漑、水質浄化)/ロックフィル

堤高/堤頂長/堤体積

200m/1,130m/4000万m3

総貯水容量/総湛水面積

9億9000万m3/345MW

事業主体

サンロケパワー社(建設事業および発電事業)

完成

2003年2月

関連
企業

政府
機関

本体
施工

全体

[施工] Raytheon Ebasco Overseas Ltd.
[設計、資材調達] United Engineers International ,Inc. 

(水車・発電機は東芝)

コンサルタント

[建設時]オーナーズエンジニア:Harza Engineering Company International

[運転開始後]O&Mコンサルタント:関西電力株式会社

資金リソース

プロジェクトファイナンス(JBICおよび市中銀行)

●計画概要

サンロケ多目的プロジェクトは,フィリピン・ルソン島北部から南進するアグノ川に高さ200mのロックフィルダムを築き,パンガシナン州からその北側に隣接するベンゲット州に及ぶ総容量約10億m3の貯水池を建設し,灌漑,洪水調整,水質浄化および発電の機能をもたせるものである。
本プロジェクトは、事業者であるサンロケパワー社(SRPC)がダムおよび345MWの水力発電所(115MW×3台)を建設(Build)し,25年間の運転(Operate)およびメインテナンスを行い,NPC(フィリピン電力公社)に発電設備を譲渡(Transfer)するBOTプロジェクトである。なお,ダム,洪水吐,監査廊および底部排水路など非発電設備は建設終了時にNPCに譲渡されるところが通常のBOTプロジェクトと異なる。
1998年10月、関西電力の孫会社であるKPIC Singapore社(当時)が出資者として本プロジェクトに参画し、建設中のプロジェクト管理のため,関西電力から2名の土木技術者をSRPCに派遣した。また建設後半には電気・機械管理,試運転のため,電気技術者を1名も派遣している。

サンロケ水力発電所はピーク電源として期待されており,年間を通じて最低でも出力85MWにて1日のピーク時間帯に対応した8時間のピーク運転を行う計画となっている。アグノ川の過去の河川流量データによると,平均年間発生電力量は約10億kWhであり,フィリピン国の国内電力需要を賄うとともに火力発電所の燃料の消費削減にも大きく貢献するものである。

●環境対策関連

フィリピン政府による環境適合承認に基づいた自然環境および社会環境保護対策を手厚く実施している。また、サンロケパワー社は、CSRの観点から移転住民生計支援、地域開発援助活動を積極的に行っている。

●ダム及び付帯設備諸元

・ダム   堤高     : 200m
(4箇所) 堤頂長    : 1,130m
      総堤体積   : 40,000千m3
 ・貯水池  総流域面積  : 1,250km2
       満水位    : EL. 280 m (利用水深 55m)
       総湛水面積  : 12.8 km2
       有効貯水容量 : 990,000千m3
       設計洪水量  : 12,800m3/s 
 ・洪水吐         : 型式×門数;ラジアル。6門
                放流能力 ;15,600 m3/s   

●プロジェクト位置図

   

●完成状況/写真

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