委員会・分科会活動/ダムの役割調査分科会
活動目的
既設ダム・貯水池が当該流域において果たしている役割について社会・経済・環境面のプラスおよびマイナス効果を調査・研究し、その果たしてきた役割を確認するとともに調査手法の確立に寄与する。また既存施設の有効活用および改善方策について調査研究する。
活動期間
平成15年度~平成16年度 (2年間)
活動結果
報告書ではまず、国際比較を取り入れつつ、我が国のダムの状況を概観する。次に、これまで人類の歴史とともに建設・運用されてきたダムの役割を水利用の歴史を軸に振り返るとともにダムの限界についてもふれる。その次に、ダムの負の影響について列挙し、その緩和のためおこなわれている半世紀に及ぶ取り組みの現状を明らかにした。そうした上で国際的な観点を含め将来の水問題やダムに対する考え方を再整理し、21世紀にダムの果たす役割を浮き彫りにした。
以下に報告書「ダムの役割」の目次を掲載する。(報告書は会誌第194号2006-1に掲載)
第一章 はじめに 
  (1) ダムをとりまく状況と本報告書のねらい
  (2) ダムの歴史のあらまし
  (3) わが国の国土とダムの特徴
  (4) WCDレポートとわが国のダム
  (5) 本報告書の概要
第二章 わが国の水利用の歴史にみるダムが果たした役割
 第1節 農業水利開発と農業用ダム
  (1) 農業用水確保の歴史とため池の役割
  (2) わが国農業の変革と農業用ダムの役割
  (3) かんがい用水確保の取り組みの事例
 第2節 近代都市の発達と水道用ダム
  (1) わが国の近代水道の始まり
  (2) 水道事業の普及とダムの役割
  (3) 水道事業においてダムが果たした役割の事例
 第3節 近代産業の発展を支えた水力発電ダム
  (1) 水力発電とダム
  (2) 水力発電の始まり
  (3) 遠距離送電の開始と大型水力発電
  (4) ダム水路式大容量水力発電の開始
  (5) 河川に沿うシリーズ開発
 第4節 戦後復興と多目的ダム・・・・・・・河川総合開発ダムの登場
  (1) 洪水調節を含む多目的ダムのあけぼの
  (2) 戦後復興と国土総合開発計画におけるダム
  (3) 国土総合開発に果たしたダムの役割の事例
      (その1)・・・・治水を中心にした北上川五大ダム
  (4) 国土総合開発に果たしたダムの役割の事例
      (その2)・・・・電源計画促進の要となった天竜川佐久間ダムなど
  (5) 国土総合開発に果たしたダムの役割の事例
      (その3)・・・・かんがいを中心とした木曽川牧尾ダム
 第5節 大都市への人口・産業の集積および全国的な都市化の進展を支えるダム
  (1) 高度経済成長と全国総合開発計画
  (2) 大都市への水供給
  (3) 高度経済成長期から安定成長期の水力発電ダム
  (4) 「河川法」に基づくダムによる洪水調整
第三章 ダムが及ぼす社会環境および自然環境への影響と対応
 第1節 ダム事業と社会的紛争
 第2節 水源地域の社会環境への影響と対応
  (1) ダム事業がもたらす水源地域への社会的影響とその対応
  (2) ダム事業者による水没者及び関係自治体への補償措置
  (3) 国、地方自治体等による水没地域自治体への支援
  (4)水源地域の活性化支援
 第3節 水環境への影響と対応
  (1) 流況の変化による影響と対応
  (2) ダム貯水池への堆砂の進行とその対応等
  (3) ダム貯水池の水温・水質問題への対応
 第4節 生物生息環境への影響と対応
  (1) ダム事業のよる生物生息環境への影響
  (2) 自然環境保全に関する社会の動きとダム事業
  (3) 生態系保全に向けた取り組み事例
 第5節 ダム事業への市民意見の反映と事業評価制度の導入
  (1) ダム事業への市民運動の高まり
  (2) ダム事業への市民意見の反映
  (3) 事業評価制度の導入
第四章 ダムの役割 その将来
 第1節 ダムをとりまく社会の変貌
  (1) 世界の動向
  (2) ダムをとりまくわが国の将来の姿
 第2節 ダムが将来果たすべき役割
  (1) 農業とダム
  (2) エネルギーとダム
  (3) 異常気象とダム
 第3節 ダムが将来果たすことができる役割
  (1) 水環境、水循環とダム
  (2) 水源地域とダム
 第4節 ダムの役割を将来にわたって着実に果たすために
  (1) 流域社会におけるダムの役割等に対する認知
  (2) ダム管理施設等の機能の発揮と維持
  (3) ダム貯水池の持続的な利用
  (4) 既設ダムの有効活用
 第5節 ダム技術者が果たすべき役割
  (1) 求められるダム技術の開発と研鑽
  (2) 地域連携活動への取り組み
  (3) ダム技術者の国際技術協力
  (4) 次世代への技術の引継
第五章 おわりに
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