活動目的
ICOLDダム安全委員会のBULLETIN作成へ対応するとともに、海外においてダムの安全性評価の一手法として検討されているリスクアセスメントの動向を把握し、その手法について研究する。
活動期間
平成13年度~平成14年度 (2年間)
活動結果
リスクアセスメントは、ダム安全性に係わる意思決定の際の補助的手段として、また既設ダムの改造や民間資金による新規ダムプロジェクトの開発決定において安全性ならびに経済性の両面から意思決定手段の有意義な一手法としての価値は高いとの見解もあり、今後世界的に拡大して行くものと予想される。
本報告書は、①リスクアセスメントの概要 ②リスクアセスメントの取り組みを先進的に行っている各国(オーストラリア、ドイツ、アメリカ)の文献による事例研究 ③ダム事業者のリスクアセスメントを対象として、事例検討 ④リスクアセスメントの効果と課題から構成されている。
以下に報告書「ダム分野におけるリスクアセスメントについて」の目次を掲載する。(報告書は会誌第 188号2004-7に掲載)
第一章 背景 (はじめに)
第二章 リスクアセスメントの概要
2.1 リスクアセスメントの概念
2.2 ICOLD BULLETINの概要
第三章 海外における事例紹介(文献研究)
3.1 オーストラリアの事例(既設ダム群補修工事の優先順位検討にあたってのリスクアセスメントの適用性)
3.1.1 はじめに
3.1.2 文献の要約
3.1.3 まとめ (考察)
3.2 ドイツの事例(ドイツにおけるリスクアセスメントの動向と適用事例)
3.2.1 はじめに
3.2.2 文献の要約
3.2.3 まとめ (考察)
3.3 アメリカの事例(米国工兵隊既設ダムの安全評価と意思決定支援にあたってのリスクアセスメントプロセスの評価・勧告)
3.3.1 はじめに
3.3.2 文献の要約
3.3.3 まとめ (考察)
第四章 JCOLD リスクアセスメント分科会における事例検討
4.1 放流設備の補修・更新事例を対象としたFTAによるリスク評価
4.1.1 はじめに
4.1.2 FT(フォルトツリー)の作成
4.1.3 機器の補修・更新の現状
4.1.4 機器の故障の生起確率(年あたり故障率)の算定
4.1.5 FTAによるリスク評価
4.1.6 まとめ(考察)
4.2 施工設備(転流工計画)を対象としたR.Aの適用検討
4.2.1 はじめに
4.2.2 イベントツリー分析
4.2.3 リスク評価基準
4.2.4 中規模モデルダムへの適用事例
4.2.5 まとめ(考察)
4.3 ダム管理所集中化検討におけるFTAによるリスク評価
4.3.1 はじめに
4.3.2 統合管理のメリット
4.3.3 統合管理の課題
4.3.4 電力ダムにおける事例
4.3.5 まとめ(考察)
第五章 リスクアセスメントの効果と課題