イラク共和国は中東・西アジアの国で、世界で3番目の原油埋蔵国である。国土は海抜3,000ｍの山岳地帯からゆるやかな下りになっており、南東にある沼地に向かっている。国土のほとんどは砂漠か荒れ地である。

平均気温は7月に48℃以上となり、1月には氷点下近くまで下がる。雨期は12月から4月にかけてで、年間の平均降水量は100～180mm程度である。北部の山岳地帯では中部および南部の砂漠地帯よりも明らかに降水が多い。

(2) ダムの概要

イラク共和国の全ダム数は9ダムである。高さ15ｍ以上のダムは7ダムあり、その内2ダムは高さ30ｍ未満である。また、全ダムの44％はロックフィルダムである。

この国の水力による発電出力は788MWである。

この国では1960年から1990年までの30年間に8ダムが竣工しており、1990年以降は建設されていない。

(3) 代表的ダム

最大のダム高さは1983年完成のMOSULダムで131ｍ、堤頂長3,500ｍのロックフィルダムであり、その総貯水容量は125億m3である。なお、このダムは773MWの発電に利用されている。２番目は1961年完成のDERBENDIKHANダムで高さ126ｍ、堤頂長535ｍ、総貯水容量30億m3のロックフィルダムである。