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会長挨拶

他の電力会社も同様で、当会議の会員に名を連ねるほとんどの電気事業者からの会費が、当面の間の緊急措置とは申せ、減額を余儀なくされる事態となり、結果して当会議も厳しい財務状況に陥ることとなってしまいました。事務所もこれまでの港区虎ノ門から中央区日本橋人形町に今年2月初旬に移転し、経費削減の一助とせざるを得なくなりました。出身団体が引き金を引いたわけであり、これだけでも会長をお引き受けする資格があるのかと逡巡したこともありました。さらには、現在、電力各社は一様に原子力規制委員会に保有する原子力発電所の再稼働の審査を受けている最中にあり、各社土木は活断層や地震動、津波などの評価に明け暮れている毎日であります。私もその中の一人であり、こうした状況下で当会議の会長職を全うしうるのか、会員各位の付託にお応えすることができるのか、これまた私が会長職をお引き受けするにあたり逡巡した要因の一つでありました。

幸いにも、前会長の坂本ICOLDアジア地区副総裁はじめ、副会長、専務理事、常務理事など多くの関係者の皆様方が「当面のことなのだからサポートする」と温かいお言葉をいただき、勇を奮ってこの度会長をお引き受けさせていただきました。

 日本大ダム会議としては、2012京都大会の残務整理を終え、ここしばらくは一息ついている状態と言っては口が過ぎるかもしれません。しかし、京都大会の頃は、民主党政権下での脱ダム政策が全国に蔓延した状況にありましたが、漸く自民党政権に代わって、国土強靭化を目指す真っ当な社会インフラ政策が再開され、ダム事業もまた復活の方向性が明確になってきたことは、国土保全の一翼を担う責めを負う関係者一同、誠に喜びに堪えないものがあります。 ただ、我が国では、治水、利水ともにこれまでにダムは相当量開発されてきており、将来に向けたダムの適地に限りがあることも事実でありましょう。こうした事情を反映して嵩上げなど既設ダムの再開発が主要な方策の一つとなってきています。また最近のダムには積極的な排砂機構などで、湛水池の堆砂対策を予め備えているものもでてきていますが、既設のダムのほとんどが池の堆砂問題に有効な対策を講じえていないのが実情です。

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