スウェーデン王国は、北ヨーロッパのスカンディナヴィア半島の中央、東側に位置する国であり、南西にカテガット海峡、東から南にはバルト海がある。半島西部はスカンディナヴィア山脈が南北に連なっているが標高は2,000m程度のなだらかな山脈である。ボスニア湾やバルト海に沿って平野部はあるが、それほど広大ではない。湖沼も多く、中南部に最大のヴェーネルン湖と2番目に大きなヴェッテルン湖が位置する。

南部のスコーネ県を除き厳しい冬であり、また夏も全般的に冷涼としている。

(2) ダムの概要

スウェーデン王国の全ダム数は190ダムである。全ダムが高さ15ｍ以上であり、その78％は高さ30ｍ未満である。また、全ダムの58％は重力式ダムである。

この国の水力による発電出力は12,780MWである。

この国では1960年から1990年までの30年間に95ダムが竣工しており、1990年以降の竣工は3ダムと少ない。

(3) 代表的ダム

最大のダム高さは1974年完成のTRANGSLET KRV Oダムで122ｍ、堤頂長925ｍの重力式・アースの複合ダムであり、その総貯水容量は8.8億m3である。なお、このダムは329MWの発電に利用されている。２番目は1967年完成のSEITEVAREダムで高さ106ｍ、堤頂長2,011ｍ、総貯水容量16.75億m3のロックフィルダムである。これも220MWの発電に利用されている。