ルーマニアは東ヨーロッパの国で、黒海に面しており、34%が山地、33%が丘陵地、33%が平地である。ルーマニア中央をカルパチア山脈が占め、トランシルヴァニア平原を取り囲んでいる。カルパチア山脈のうち14の山は2,000m級であり、最高峰モルドヴェアヌ峰（2,544 m）であり、南は丘陵地となり、バラガン平野に至る。

(2) ダムの概要

ルーマニアの全ダム数は246ダムである。高さ15ｍ以上のダムは190ダムあり、その55％は高さ30ｍ未満である。また、全ダムの42％は重力式ダムである。

この国の水力による発電出力は5,750MWである。

この国では1960年から1990年までの30年間に184ダムが竣工しており、1990年代に20ダムが竣工し、2000年以降の建設は2ダムと少ない。

(3) 代表的ダム

最大のダム高さはGURA APELORダムで168ｍ、堤頂長464ｍのロックフィルダムであり、その総貯水容量は2.1億m3である。なお、このダムは335MWの発電に利用されている。２番目は1965年完成のVIDRARUダムで高さ166ｍ、堤頂長305ｍ、総貯水容量4.69億m3のアーチダムである。これも220MWの発電に利用されている。