ブルガリア共和国は東ヨーロッパの国であり、バルカン半島に位置し、東は黒海に面している。ブルガリアは国土の三分の一を山岳地帯が占め、バルカン半島の最高峰であるムサラ山（標高2,925m）がある。国土のほぼ中央を東西に走るバルカン山脈（スタラ・プラニナ）とスレドナ・ゴラ山脈にはさまれた一帯はバラの一大生産地となっている。丘陵地帯と平原は、東の黒海沿岸と、ブルガリアの主要河川であるドナウ川に沿っている。

気候はバルカン山脈で大きく分けられ、北側は冬は気温が低く多湿で、夏は気温が高く乾燥している。南側は温暖で湿度が高く、地中海性気候である。

(2) ダムの概要

ブルガリア共和国の全ダム数は180ダムである。高さ15ｍ以上のダムは173ダムあり、その63％は高さ30ｍ未満である。また、全ダムの78％はアースダムである。

この国の水力による発電出力は1,167MWである。

この国では1960年から1990年までの30年間に155ダムが竣工しており、1990年以降の竣工は4ダムと少ない。

(3) 代表的ダム

最大のダム高さは1975年完成のANTONIVANOVTZIダムで145ｍ、堤頂長420ｍのバットレス・重力式の複合ダムであり、その総貯水容量は2.26億m3である。２番目は1972年完成のKRICHIMダムで高さ105ｍ、堤頂長269ｍ、総貯水容量18百万m3のバットレス・重力式の複合ダムである。