スリランカ国 アッパーコトマレ(Upper Kotmale)水力発電所

                                                                     2009.12.17

目的/タイプ

発電(P)/重力式コンクリート

堤高/堤頂長/堤体積

35.5m/180.5m/53千m3

総貯水容量/発電所出力

80万m3/15万kW

事業主体

セイロン電力庁(CEB)

完成予定

2011年運開予定

関連
企業

政府
機関

本体施工

土木

前田・西松JV

 

鉄構・鉄管

栗本鉄工㈱(水門鉄管)

 

電気

三菱商事(水車発電機)

コンサルタント

電源開発(施工監理)

資金リソース

国際協力銀行(円借款)

●計画概要
アッパーコトマレ(Upper Kotmale)水力発電所は,スリランカ国の逼迫した電力需給を緩和するとともに,貴重な自国水力資源の活用,従前ピーク対応電源とし割高なディーゼル,ガスタービン発電を代替することが期待されるプロジェクトである。
地点は,スリランカ国の中南部の山岳地域に位置し,コトマレ(Kotmale)川上流部に高さ約35mのダムを築造して日間調整能力を有するタラワケレ(Talawakelle)調整池を設け,延長約12kmの導水路トンネル及び水圧管路により地下発電所に導水し,この間の落差約473mを利用して最大出力約15万kWの発電を行う計画である。
本計画に関しては,1985~1987年にJICAにより実施可能性調査(FS)が,引き続き1993~1995年には旧海外経済協力基金(現、国際協力銀行:JBIC)の借款により実施設計及び環境影響調査がそれぞれ実施された。その後,同国での環境審査,開発許可手続きを経て,2000年3月に政府より建設許可を取得,2001年3月には,JBICが設計・開発計画・社会環境影響評価をレビューし案件の妥当性を再確認したうえで,2002年3月に特別円借款の融資契約をスリランカ国政府と締結した。2003年11月,電源開発は,スリランカ政府(セイロン電力庁)との間で,本計画に係る入札支援及び施工監理業務を2009年10月まで実施する契約を締結した(現在さらなる継続について協議中)。

●環境対策関連
CEBはアッパーコトマレダム築造に伴う住民移転アクションプランを策定し,水没する民家497世帯,公共施設11棟等の補償に取り組んでいる。既に移転先住居の整備が完了しており,住民の移転が開始された。
また本プロジェクトにおいてはダム周辺の河川や滝の水質モニタリングや,導水路トンネル掘削による地下水への影響調査,サイト近傍に生息する希少動物の生息域移動など,環境対策に積極的に取り組んでいる。

●ダム及び付帯設備諸元
・ダム    堤高       : 35.5m
(4箇所)  堤頂長      :180.5m
       総堤体積     : 53千m3
・貯水池  総流域面積   :       310.6km2
       満水位      :      EL1,194m (利用水深4m)
       総湛水面積   :          0.25km2
       有効貯水容量 :         800千m3
       設計洪水量   :     3,300m3/s  (10,000年確率)
・洪水吐            : 型式×門数;ラジアルゲート×5(幅10m×高10m)
                  放流能力 ;3,300m3/s (10,000年確率)
・土砂吐            : 型式×門数;ラジアルゲート×1

●プロジェクト位置図

●工事進捗状況/写真
・2005年 9月 準備工事着工
・2006年12月 土木本工事着工
・2008年10月 ダム定礎式典
・2011年11月 運開予定
 
ダム工事状況(下流から望む)(2009年10月撮影)

 

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地下発電所工事状況(2009年10月撮影)

 

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