ラオス ナムトゥン2水力発電所

目的/ダムタイプ

発電(P)/重力式コンクリート

堤高/堤頂長/堤体積

39.0m/437.0m/214千m3

総貯水容量/総湛水面積

36億m3/108万kW

事業主体

ナムトゥン2発電会社

完成

2010年運転開始

関連
企業

政府
機関

本体
施工

土木

イタリアンタイデベロップメント・西松JV

鉄構・鉄管

イタリアンタイデベロップメント・西松JV

電気

発電設備:GEエナジー・ABB・セレメシーJV

送電設備:三菱商事・ジェイパワーシステムズJV

コンサルタント

フランス電力

資金リソース

自己資金28。5%、借款71.5%(銀行27行)

●計画概要

ナムトゥン2水力発電は、外貨収入の乏しいラオス国が、隣国への売電を主目的として行っているプロジェクトである。プロジェクトはラオス国中央部の山岳地帯に位置し、高原部を流れるナムトゥン(Nam Theun)川に高さ39mのダムを建設、導水トンネルを通して平野部の発電所に送水する(公称有効落差348m)ことにより、108万kWの発電を行うものである。
この地域の水力発電開発の潜在性は早くから注目され、1970年代には具体的なサイトが調査・確認された。その後1994年から世界銀行、アジア開発銀行、フランス開発庁、ラオス政府の支援を受け、1994年にはプロジェクトの基本設計を実施した。2003年に開発責任が独立発電事業者であるナムトゥン2発電会社(略称NTPC)に移管された。このプロジェクトは、NTPCが建設運営を行ういわゆるBOOT事業であり、25年間のプロジェクト認可期間にわたって、約19億USドルの歳入をラオス政府にもたらすと見込まれている。

●環境対策関連

NTPCは当プロジェクトの実施に伴う環境対策計画を作成し、定期的にモニタリングを実施している。ラオス国民の生活改善のため、水没地区1,200戸への移転補償、下流200村への環境整備のほか、生活用水の確保、農地開拓、学校開設への補助、医療補助、職業技能訓練、140kmの道路整備、不発残留弾処理等を実施した。また、象、虎、サンショウウオ等の希少動物・魚類の生息状況調査、河川水の水質調査を定期的に行っている。

●ダム及び付帯設備諸元

・主ダム  堤高     : 39.0m
堤頂長    : 437。0m
       総堤体積   : 214千m3
 ・サドルダム       : フィルダム13箇所(計650千m3)
・貯水池  総流域面積  : 4,013km2
       満水位    : EL538m (利用水深12.5m)
       総湛水面積  : 450km2
       有効貯水容量 : 3,530,000千m3
       設計洪水量  : 8,744m3/s (5,000年確率)
 ・洪水吐         : 型式×門数;ラジアルゲート×5
                放流能力 ;8,744m3/s
 ・土砂吐         : なし

●プロジェクト位置図

  


  

●完成状況/写真

 

 主ダム施工状況(2006年11月)
                           
主ダム試験湛水状況(2008年8月)

 

 主ダム全景(2008年12月)
                                    
取水用導水路(2008年12月)

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