南アフリカ共和国はアフリカ大陸最南端に位置する国で、鉱物資源に恵まれ金やダイヤモンドの世界的産地である。

雨季は11月～3月で、東と西で雨の降り方が大きく違う。東部は季節風の影響で夏に雨が降るが、南西の海岸はいわゆる地中海岸気候で、移動性低気圧により冬に雨が多い。降雨量は東側から西側に行くにしたがって少なくなる。夏期は10月～3月、冬期は5月～8月であり、地域による差はあるのだが、一年を通じて気候は比較的温暖で日照時間が長い。国全体の平均気温は、冬が0℃～15℃、夏が20℃～40℃と差が大きい。内陸高地の冬の気温は0℃以下になることもあり、高い山の山頂（ドラケンスベルク山脈）では降雪もある。

(2) ダムの概要

南アフリカ共和国の全ダム数は915ダムである。高さ15ｍ以上のダムは904ダムあり、その81％は高さ30ｍ未満である。また、全ダムの72％はアースダムである。

この国の水力による発電出力は2,241MWである。

この国では1970年から2000年までの30年間に563ダムが竣工しており、2000年以降の建設は13ダムと少ない。

(3) 代表的ダム

最大のダム高さは1977年完成のVANDERKLOOFダムで108ｍ、堤頂長853ｍのアーチダムであり、その総貯水容量は32.4億m3である。なお、このダムは240MWの発電に利用されている。２番目は1980年完成のSTERKFONTEINダムで高さ93ｍ、堤頂長3,060ｍ、総貯水容量26.2億m3のアースダムである。